「ソロ活」「おひとり様」といえば、なんとなく若い女性のイメージがある。しかし実際、おじさんたちだって1人行動を楽しんでいる。華はないかもしれない。メディアの注目も浴びないかもしれない。けれどおじさんたちのソロ活だって、実際楽しいのである。(取材・文/フリーライター 鎌田和歌)
飲み屋、カラオケ、焼き肉、美術館、キャンプなど……。最近では、1人でさまざまな場所へ出かけることを「ソロ活」と呼ぶそうである。少し前で言うところの「おひとり様」だが、「ソロ活」にしろ「おひとり様」にしろ、何となく若い女性の行動と定義づけられている雰囲気がある。
実際には、おじさんたちだって1人で行動することはある。というか、1人行動を余儀なくされることもある。若い女性の「ソロ活」はサマになっても、おじさんの「ソロ活」は珍しくないし侘しい感じがするから話題にならないのだろうか……などと独りごちるおじさんのつぶやきを発見してしまった。
いや、おじさんだって、誰に臆することなくソロ活を楽しんでいいはずなのだ。注目されづらい、おじさんたちの地味な「ソロ活」事情を探った。
きっかけは
ユーチューバーの車内泊
Aさん(60代男性)が車中泊にハマり出したのはここ数年のことである。自営の仕事は今も続けているものの、2人の子どもがどちらも独立して手を離れたこともあり、自由な時間はそれなりに多い。「ソロ活なんてオシャレなものじゃないですが」と言いつつも、車中泊の魅力を語ってくれた。
「きっかけはユーチューバーの動画です。車中泊やキャンプ、釣りの様子をアップしているユーチューバーが何人もいて、その方たちの動画を見るのがもともと好きだったんです。自分の趣味がドライブだったこともあって、車中泊をしてみたくなりました」
ただ車の中で寝る、というわけではない。問題は、いかに快適に楽しく車中泊を過ごすか、である。寝袋や毛布は必須、夏場以外は防寒アイテムが必須だし、夏は簡易扇風機や虫除け用の網戸。そして車中泊の醍醐味の1つは、車内で調理を行うこと。車内でも使える機能的でコンパクトな調理器具を探すことも「ワクワク」のひとつとAさんは言う。