地域住民と直接対話
手探りで作り上げた配車システム

マツダの商品企画本部の吉田真一郎氏(写真左)と、カスタマーサービス本部の岡村雅氏 Photo by Kenji Momota

「支え合い交通サービス実証試験」について、マツダ広島本社で、商品戦略本部とカスタマーサービス本部の関係者から、詳しく話を聞いた。

 それによると、サスティナブル“Zoom-Zoom”の骨子が固まっていた2017年4月、マツダは「クルマを使った社会貢献」について社内協議を始めた。

 その中で、広島県庁の地域政策局・地域力創造課・交通対策グループとの会合も始まった。その時点で、県との話は決して実証試験ありきではなかったという。

 同年夏以降になると、県との協議の中で、公共交通機関が減少している県内の交通空白地域が主な課題であることをマツダが認識し、県内でなんらかの実証試験を行う方向で、県とマツダは候補地の絞り込みを始めた。

 候補となったのが、市内にマツダがテストコースを持つ三次市だった。JR三江線の2018年4月廃線が決まっており、また市内の作木町では福祉や交通空白地域に限定して白ナンバー車を使う事業が国から認められている、自家用有償旅客運送(関連記事はこちらこちら)をすでに行っていた。

 また、三次市内の川西地区では「町づくりビジョン」を掲げ、郷の駅を交通結束点として活用することや、自然エネルギーなどの利活用など、地域住民が自らの手で街を変えようとする取り組みがあった。

 こうした背景がある三次市ならば、地元の交通事業者との交渉なども円滑に行える可能性があるとマツダは考え、実証試験をこの地で行うことを最終的に決めた。

 とはいっても、マツダや三次市から地域住民に対して、「こういうサービスを考案したから、使ってほしい」という押し付けでなく、地域住民自らに今後の交通を考えてもらい、運営も含めて自主的に行ってもらえるよう、話を進めていった。