自動運転に欠かせない地図データ基盤でグローバルスタンダードを握るべく、オールジャパンの地図データ会社が攻めの一手を打とうとしている。
2月13日、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)や国内自動車メーカー10社、地図大手のゼンリンなどが出資する高精度の3次元道路地図データ会社のダイナミックマップ基盤(DMP)が、米ゼネラル・モーターズ(GM)系の同業である米アッシャーを買収すると発表したのだ。
“高精度”の3次元地図といってもそのレベルには各社ばらつきがあるが、アッシャーはDMPと同じく、世界最高水準の精度を誇る企業だ。すでに米国内20万キロメートル以上の地図データを蓄積済み。GMの「キャデラックCT6」に搭載されたハンズフリーの運転支援システムへの採用も果たし、量産車での高精度地図の実用化を世界で初めて実現している。
DMPはそんな同社を、INCJや三菱電機などから調達する約200億円で買収することにより、日本のみならず、米国での事業展開を一気に進める考えだ。