写真はイメージです Photo:PIXTA

「必ず病を克服し、皆様の前に立てる日を目指して治療に専念します」(「King&Prince=キングアンドプリンス」のメンバー)。「苦渋の選択とはなりますが、今はこの病気を克服することが一番と決断しました」(「Sexy Zone=セクシーゾーン」のメンバー)。くしくも同じタイミングで、同じパニック症の治療でNHK紅白歌合戦の出場を断念したジャニーズの人気アイドル2人。6人組アイドルグループ「King&Prince」のメンバー岩橋玄樹さん(22)が2月17日、芸能活動に一部復帰しましたが、2月28日には再度活動休止と発表しました。現場復帰、社会復帰のタイミングがとても難しいパニック症について、中村敬先生が、実際の症例をもとに解説します。(談/東京慈恵会医科大学附属第三病院院長・精神医学講座教授・森田療法センター長 中村 敬、構成/慈恵大学広報推進室 高橋 誠)

中村医師のコメント
パニック症は幅広い職業、年齢層に起こります

 ジャニーズのメンバーが、「パニック症」で「NHK紅白歌合戦」に出場できませんでした。公表通りの診断だとすれば、晴れの舞台を前に、どれほどの苦悩、葛藤があったことでしょうか。煩悶の上、治療して復活し、芸能界で生きると強く決意したためのカミングアウトでしょうか。

 岩橋さんの一部復帰後、2週間もたたないうちの活動休止の背景はわかりませんが、一般論としては、ご本人の意志を含めて、緩やかに活動を再開するのが最適との見解の中、復帰が決まると、どうしても「また発作が起こってしまうのではないか」という不安(予期不安と呼びます)に駆られます。ゆっくりと現場に戻って、「仕事ができる喜び」と「予期不安」のせめぎ合いという状況もあったのではないでしょうか。

 パニック症は環境変化などで過労、緊張、ストレスが高まると発症しやすい傾向があります。特に、人前に出るのが職業の芸能人、公人では死活問題、深い悩みとなります。しかし、発作やそれによる外出困難など、パニック症を告白、克服、いま元気に活躍している著名人は数多くいます。

 症状との向き合い方、何とか乗り越える経験を重ねた上での対処法の会得が回復の鍵ではあります。職場や家庭など、環境に合わせた周囲の理解、協力があってこそ、克服、復帰を果たすケースも多く見受けられます。