1919年、いまからちょうど百年前、日本のストレス社会を予期していたかのように、森田正馬(もりた まさたけ)博士(慈恵医大精神神経科初代主任教授)は、神経症の治療「森田療法」を提唱しました。葛藤、ゆらぎに“あるがままに”従う「森田療法」は、「モリタ・セラピー」として世界に広まり、神経症者の救済に顕著な実績をあげました。この療法をヒントにして、「職場」や「家庭」、「介護」で、「私、大丈夫かな?」と思っていることなど、不安な現代を生きる私たちの身近で切実な苦悩を、「森田療法的発想」で乗り越え、パニック症、対人恐怖症、強迫症、不眠症など、心の病気になる前に、心の健康を保ち、生きる力を育む知恵を、東京慈恵会医科大学附属第三病院院長・森田療法センター長・日本森田療法学会理事長の中村敬がお伝えしていきます。