ビジネスパーソンにとって、会社の数字が必要な3つの理由

 ここまでご説明したように、会社の数字には決算書に表れるものと、それ以外のものがあります。

 また、数字を活用することで、より具体的、客観的にコミュニケーションが図れ、交渉のしやすさや達成度合いが明確になることがおわかり頂けたことでしょう。

 では、ビジネスパーソンにとって、会社の数字が必要になってくるのは、どうしてでしょうか? それは以下の3つの理由があります。

 1 日々の業績・現状を把握する手段だから

 仕事をしていくうえで、個人別、部門別、店舗別、事業部別といったように、全社だけでなく、自分の所属部門での業績を日々把握することも重要になります。

 たとえば、自分の健康管理を気にしている人であれば、自分の体重や体脂肪率の増減、食事の摂取カロリーなどを記録していることでしょう。それによって、何が原因で体重が増減したのか? 目標数値に到達するまでの差が明確になるので、それに向けて運動量を増やしたり、食事量を減らしたりといった行動計画が明確になります。

 これと同様で、日々の仕事の成果を把握するのにも、数字が必要になります。

 たとえば美容業などの場合、その日の来店客数や売上金額、そして複数店舗を営んでいる場合は、店舗ごと、サービスアイテムごと、時間帯ごと、美容師ごとの数字に区分することで、その日の業績の好不調の原因を把握しやすくなります。その結果、翌営業日以降の改善策を検討しやすくなるというわけです。