会社の数字を活用することで得られる4つの効果
次に、会社の数字がそもそもなぜ必要なのか?
ビジネスパーソンが数字を活用することで得られる効果について考えてみましょう。4つの効果があげられます。
効果の第1は、数字を入れることで話が具体的になるということがあげられます。
例えば、以下の2つの上司から部下へのアドバイスを比べてみてください。
上司A:「営業で訪問するお客様のアポイントを取るように」
上司B:「明日の午前10時までに、前月の当社の売上金額上位30社の中から、来週中に営業で訪問するお客様を10社アポイントをとっておくように」
さて、どちらの指示が具体的でしょうか?
当然、数字を織り交ぜて指示を出しているBさんの方が、より具体的ですね。
第2に、数字は客観的であることです。
先ほどの指示内容からもわかりますが、数字を伴わない指示だと、受け取った側が「いつまでにアポイントを取ればいいのか?」「何社アポイントを取ればいいのか?」「どのクライアントの中からアポイントをとればいいのか?」がわかりません。
そうすると、仕事を依頼した側と受け取る側の間でコミュニケーションギャップが生じ、間違いが起こる可能性が出てきます。
一方、数字を入れて具体的に指示を出せば、ミスや間違いは減らせます。
第3に、お金や時間について数値を使って指示を出すことで、件数や時間(生産性)、売上や利益といった達成度合が評価しやすくなることです。
そうすると指示を受けた側も、どのように仕事に取り組むべきか、その行動内容と目標が明確になります。
第4に、仕事を依頼される側が、仮に現在の自分の仕事状況から考えて、達成状況が厳しい場合、その条件について数字を使って交渉することができることです。
例えば、納期を遅らせることはできないか? アポイントをとる対象範囲を広げられないか? アポイントをとる件数を減らせないか? といったように、自分の依頼内容の条件についても、数字を使うことで交渉しやすくなるわけです。
これは社内だけでなく、得意先や取引先と、単価や納品個数などの条件交渉を行う際も有効です。