2 目標や予算、過去の数字、または同業他社との比較を行うため

 日々の数字の推移を確認することで、月別、曜日別、日別といった時間軸での傾向が把握しやすくなりますが、それに加えて、目標や予算数値との比較も重要です。

 多くの会社では、自分が所属する部署についての売上予算(製造部の場合は原価予算)や目標数値が掲げられているはずです。日々の数字の推移を記録していれば、その数字に対して、どれだけの達成度合いなのかが簡単に把握できます。

 また、売上や利益などの金額だけでなく、客数や客単価など、予算を達成するために必要な他の数字に関する目標数値との差異も確認できます。

 場合によっては同業他社のデータとの比較を行うことで、自社の強みや弱みといった特徴を認識することもできます。

 3 決算書の内容を改善するため

 当然のことですが、日々の業績を管理して、売上や利益を出し、キャッシュフローの改善に1人ひとりのビジネスパーソンが取り組むことで、結果として会社の決算書(財務指標)の課題が克服され、より健全な財務体質へと改善されていきます。

 そして、健全な財務体質へと改善されることで、自社が展開したい事業への資金投資が可能になります。金融機関から融資を受けている場合は、より好条件での資金調達が可能になります。

 このように、ビジネスパーソンにとって会社の数字は、ひじょうに重要な役割を果たすものなのです。

 さらに大切なのが、今は、会社の特定部署や特定スタッフだけが会社の数字をコントロールする時代ではないということです。

 自分の数字だけでなく、会社全体の数字も自分事として捉えること、そして会社の数字を意識して、日々の仕事に取り組むことが、今のビジネスパーソン1人ひとりに求められる役割です。

 まずは、あなた自身が仕事をする中で関わる数字から、「会社の数字」に関心をもって接してみてください。


(つづく)

※本連載は、(火)と(木)に掲載いたします。
 


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