第4回では、ビジネスパーソンが貢献社員になるために、売上ではなく利益に視点を置く必要性についてお伝えしてきました。最終回となる第5回では、これまでの利益についての考え方に加えて、キャッシュフローの重要性についてお伝えします。

売上の締日と入金日を意識して行動する

 キャッシュフローを考えるうえで重要なのは、入金に対する意識を高めることです。

 経費や借入金の返済、税金の支払いなど、支出に関する項目はいろいろありますが、入金については、その大半が売上代金の回収となります。

 また、現金商売を営んでいる小売業や飲食業などを除き、大半が掛取引で1ヵ月に1回か複数回の締日を設けて、売上代金を回収しています。

 このため、1日でも早く売上代金を回収しようと思えば、締日までに納品・検収までの段階を完了しておく必要があります。言い換えれば、納品・検収から逆算して日々の営業活動を行わなければならないということになります。

 次に、実際に取引を終えた売上代金が確実に入金されているかどうかのチェックも必要です。

 得意先に対して設定された回収サイト通りに入金されているか、日頃の得意先の営業状況も含めて常に確認しなければなりません。そして、少しでも支払いが遅れたら、即座に回収に向けて動くことが重要になります。

回収サイトの条件が良くない得意先とは積極的に関わらない

 というのも、延滞している売上代金の多くは、回収に向けての初動対応が遅れていることが主な要因として挙げられるからです。

 また、売上や利益金額が稼げるからといって、回収サイトが遅れている得意先や、そもそも回収サイトの条件自体が良くない得意先と積極的に関わらないことも重要です。

 これは、与信管理の面から考えても、倒産の危険性をはらんでいる得意先との取引は、売上代金が回収できないリスクを増やすことになってしまうからです。

 また、回収サイトの条件が良くない得意先については、後で述べます運転資金が必要になってきますので、借入金の返済や金利の負担を考えたうえで、取引を継続する必要があるかどうかを考えて対応を決める必要が出てきます。