日本武道館が大歓声に包まれた。アリーナ席のペンライトが左右に激しく揺れる。カメラの放列が盛んにフラッシュを焚き、テレビカメラは巨大スクリーンに涙の笑顔を映し出す。
今年もAKB48の選抜総選挙にやってきた。昨年に引き続き2度目の取材となるが、その圧倒的な雰囲気にはまたしても驚かされるばかりだった。
商業イベントとしてのAKB総選挙は成功に違いないが、そこに至るまでにはいくつもの大きな仕掛けが用意され、日本武道館を若者たちで溢れさせるほどの理由を隠している。
果たしてAKB総選挙が盛り上がる要素は何か?
それが本来の総選挙、つまり、国民の代表で国権の最高機関のメンバーを選ぶ衆議院議員選挙と比較してどう違うのか。
ダイヤモンド・オンラインの筆者コラムの再開にあたって、いまや日本のショービズ界の最強コンテンツと化したAKB選抜総選挙を取り上げてみようと思う。
“生徒”の指原莉乃、峯岸みなみに
教わったAKBの仕組みや考え方
検証の前に、まずは筆者がAKB48を知ったきっかけを説明しよう。
直接のきっかけは『週刊プレイボーイ』の「AKB48でもわかるニュースの言葉」での指原莉乃と峯岸みなみとの連載だ。
筆者が「黒い池上彰」ともいうべき教師役として二人の生徒に、時事問題を教えるというコーナーだが、当の彼女たちからAKBの仕組みや考え方を教えてもらったことがまずは何より大きい。