エボラ対策にも
大きな影響を与えた大統領選挙

 大統領選挙は、エボラ対策にも大きな影響を与えたといえる。北キブ州において感染地域の拡大とエボラ感染症症例が増え始めた昨年11月23日には、大統領選挙と同時に行われる国会議員選挙の選挙活動が始まった。昨年5月の赤道州のエボラ流行に始まり、北キブ州の現場で総指揮を執っていたバテ疾病対策総局長は、その手腕も評価されていたが、今回、国会議員選挙に出馬のため交代することになった。

 代わりに、先の赤道州での流行の封じこめに成功したアルナ疫学サーベイランス局長が12月初めに現地に派遣され、陣頭指揮を執ることとなった。また、12月の選挙の間は、人々の関心はどうしても直接選挙である大統領選挙、同時に行われた国会議員選挙に集まってしまい、エボラの対策は手薄になってしまう。

 今回も、12月23日に予定されていた選挙は、準備が整っていないことを理由に12月30日に延期された。三たび延期になるかと心配されたものの選挙は実施され、アフリカの選挙としては珍しく、ほぼ平和裏に行われた。エボラ流行が継続している北キブ州では、治安の問題とエボラ流行のため選挙は行われなかったものの、全国的には90%以上の地域で選挙が行われた。

 最終的に選挙管理委員会から発表された正式な開票結果は、野党のチセケディ氏38%、野党のファユル氏36%、カビラ大統領指名の与党のシャザリ氏26%であった。同時に実施された国会議員選挙では与党が圧勝で、500議席のうち80%を獲得した。

 20年以上続いている治安の悪さ、独裁政権のカビラ氏の政治に対して、内戦・暴力を嫌う世論が今回のチセケディ氏の大統領選出を生んだといえる。実際にこちらで一緒に働いているコンゴ人スタッフ、保健省の職員たちも、この結果に満足のようで、街の様子も新大統領誕生に沸いている。