高田 皆さん、「もちろん、自分のチームが一番大事ですよ」っておっしゃいます。でもJリーグはJ3まで入れると55チームある中で、2番目はV・ファーレンを応援しますよ!っていう人がすごく増えた気がします。

思いがけない、偶然の一致が……

堂場 そうなると、ますます新スタジアムが楽しみです。完成予想図を拝見したら、屋根がガラス張りになっていますね。隣接したホテルから試合が眺められる計画もあると……。

高田明氏高田 明・V・ファーレン長崎社長
Photo by M.I.

高田 そうそう、先生、びっくりしました! 対談のため、事前に『ザ・ウォール』の原稿を読ませていただいたら、球場を取り囲んだビルの高層階の部屋から試合が観られるって、書かれている。私たち、今日が初対面なんですけど、あれ? 前にどこかでお話ししましたかって(笑)。

堂場 これ、正直本当に驚いたんですけど、去年の春、この小説の原稿を書いているときに、長崎の新スタジアムの計画が公表されたんです。競技こそ違えど、スタジアムを中心にした一つの街として完結させる、というコンセプトが小説と非常に似ていますよね。小説の中で書いた「オフィス棟、ショッピング棟、ホテルの三つの高層ビルが球場と一体化している」という構想自体は、数年前から考えていたことなんです。びっくりしました。

高田  新スタジアムの構想は、息子(ジャパネットホールディングス社長・高田旭人氏)の会社が主導で、僕は直接はタッチしていません。ですから、私が語った通りになるとは限らないのですけどね。

堂場 ほかの施設と一体化させて球場を作るというのは、これからのトレンドになりそうな気がします。もしかしたら我々は、時代の一歩先を行っているのかもしれません。

高田 小説では他にも、フェンスが低くてホームランを出しやすくしているとか、芝の長さによってゴロのスピードを調節するとか、すごく面白い発想で書かれていて、とても勉強になります。こういうことを考える視点がないと後悔するな、と思いました。息子にもぜひ読んでもらいたいです。

 ところで、せっかく今日先生にお会いするので、最後まで読んでこなかったんですよ。小説の最後に出てくる試合の結果は、先生に直接聞こうと思って(笑)。

堂場 それはぜひ、読んでお確かめください(笑)。