新スタジアムで収益を上げるための課題

高田 先ほども話が出たように、商業施設、マンション、ホテル、オフィスと複合的に作って500億円ぐらい投資する計画です。とんでもない額ですよね。でも先生、野球は年間140何試合あるけども、サッカーは20試合ぐらいしかない。その中で収益をあげないといけない。試合数だけでも、野球より7倍の難しさがあります。

堂場 確かに、試合のない時が難しいですね。施設同士で、常にスタジアム周辺にいつもお客さんが集まるように工夫し、とにかく収益につなげる方向に持っていくしかないですよね。

高田 最初から親会社に頼らず、独立採算で立っていくチームにしないと駄目だと思っています。私は、社長になってからずっと、スポンサー回りを重要な課題と捉えて自ら取り組んでいます。結果、今年はJ2に降格しましたけど、スポンサーの数はJ1の昨季から30社ぐらい増えました。

 しかし、いくら立派な器を作っても、やっぱり地域の方と共有できるコンセンサスがなければ、成功しないと思うんです。スポンサー、行政とか街とかサポーター、それにチームスタッフ、みんなが一体となって考えていかなくてはならない。今後の大きな課題ですね。

 僕はいろんなことを発想するけど、そのアイデアを実行に移すのは僕じゃない。若手を中心にどんどんやらなきゃいけないから、スタッフ教育や人材の採用も重要になってくるでしょうね。

堂場 どこのチームでも同じ課題を抱えていると思います。これからJ2目指そう、J1目指そうというチームがいくらでもあって、経営が苦しいところもいっぱいあります。日本の場合、代表チームは応援するのになぜかJリーグの試合は見に行かないという不思議なサッカー文化があります。これ、謎ですよね。身近に観に行けるチームがあるのに。

高田 川崎フロンターレさんが、J2に参入した当初も大変だったと、何度かお話しして交流のあるサポーター団体の代表の方に聞きました。チームの体制を整え、地域に密着して、行政やサポーターとの関係性を築き、今のフロンターレになるまで、15年くらいかかったと。でも、V・ファーレンもクラブの創設から数えると10年以上経っています。時間がかかるんです、とばかりも言ってられません。

堂場 新スタジアムが完成するまで、これからの数年間が、勝負の期間になりそうですね。

高田 はい。そして当然のことですが、やっぱりチームが強くなることも必要です。