その他、最上階は非常に高く設定される。プレミアムフロアとして別仕様になったりするが、その価値は1階層下と大して変わらない。このため、中古になると値下がりしやすいのが、最上階住戸の特徴になる。「価格が高いところから値上がりする」とうそぶく人がいるが、最上階は新築時の価格設定が高いので、そこからの値上がり幅は限定的だ。たまにオークションで売られることもあるが、これも話題を振りまいているだけで、新築独特の売り方になる。

 新築価格の値付けは、究極的には全住戸の販売倍率を1倍にしたいという気持ちがある。平均2倍ということは価格が低過ぎたことにもなるので、「まんべんなく1倍」というのが、価格を最大化していて全戸売り切れるという点で、事業的に最もいいことになる。

売主の「作戦」を考える
値づけミスはなぜ起こる?

 売主は色々考え過ぎると価格表のバランスが悪くなる。眺望をシミュレーションで見せると、顧客の意見は両極端に分かれる。「眺望が良くないと買いたくない」人と「眺望が良くなくてもいい」人だ。販売時の戸数が多く、興味を持たない顧客が多いと価格は必要以上に下がる。稀少な住戸に人気が集まると高くなる。

 最上階は売主都合でなるべく高くしておきたい。なぜなら、その下層階全体に価格設定の影響が幅広く浸透し、全体の売り上げを高くする絶好の方法だからだ。とはいえ、そのエリアで1億円以上を買う人はほぼいないとなると、最高値は1億円弱に設定される。

 ただし一方で、客寄せのための安い住戸も欲しい。こうした思惑が複雑に絡み合うと、適切な価格から外れることが多くなる。ひとことで言うと、新築の方が価格差をつけ過ぎている。中古は同じマンションの住戸なら、それほど価格差が開かない。中古では周辺相場やその物件のグレード(共用)の方が価格への影響力が大きく、実際の眺望などは新築価格ほどは変わらないからだ。中古は住戸比較が緻密にできないから、新築で差をつけ過ぎた分の揺り戻しが来ることになりがちなのだ。

 どれが相対的に安いかを探る方法はこうだ。まずは、中古での価格のルールを作成する。面積、間取り、階数、向き、角、最上階などで、どの程度の価格差をつけるかという一般的なルールだ。