東大を独学で現役合格し、さらに東大大学院を受験で合格。学生時代から取得した資格の数は600を超える。これまで20年以上、試験をずっと受け続けている著者だからわかる、点数をとるワザを紹介していきます。小手先のテクニックではなく、長く勉強し続けていくために必要な戦略が詰め込まれている東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える点数稼ぎの勉強法から、一部抜粋して紹介していきます。東大に受かる人や本当に頭のいい人の学ぶ姿勢は、必読です。

最小限の時間と労力で
試験合格という結果を出すには

東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える点数稼ぎの勉強法には「得点力」という言葉が出てきますが、「得点力」とは、必ずしも「満点」や「高得点」をとることとイコールではありません。

 試験には、「できるだけ高得点を目指すべきもの」と、「合格点さえとれればよしとすべきもの」があります。

 そして、「高得点をとること」と「合格点をとること」は違います。

 そこは頭を切り替えて、別物として認識しておかなければなりません。

 2018年のFIFAワールドカップロシア大会において、日本代表の予選の最終試合、ポーランド戦での「ラスト10分の時間稼ぎ」が大きな話題を呼びました。

 日本代表は試合には0―1で敗れましたが、フェアプレーポイントなどのギリギリの条件で、みごと決勝トーナメント進出を決めました。

 ポーランド戦の勝利自体にはまったくこだわることなく、「決勝トーナメントに駒を進める」ことを最優先事項と定めた結果、「このまま0―1の状態をキープして終わらせる」という戦略をあえてとったのです。

 もし果敢に攻める戦略をとった場合、得点のチャンスが増えると同時に、点差を広げられて決勝トーナメント進出の可能性が断たれるリスクも大きくなりますが、逆に0―1の状態をキープできれば、決勝トーナメント進出がほぼ決まるという状況だったからです。

 もしあの試合で「高得点をとる」ことを目指して果敢に攻めるプレーをしていたとしたら、「合格点をとる」(決勝トーナメントに進出する)ことは達成できていなかったかもしれません。

 どちらがいいとか悪いとかいう話ではありませんが、少なくとも「高得点をとるための戦略」と「合格点をとるための戦略」は違うことが、この例からもわかります。

 小中学校までのテストでは、高得点、満点を目指すことが普通だったかもしれません。そもそも小中学校のテストでは、合格点、合格ラインというもの自体が基本的にありません。

 しかし、大学入試や資格試験は、小中学校までのテストとは違って、「そもそも満点近い点数をとることはほぼ不可能だという前提で、いかに適切な取捨選択を行って合格点を確実にとるか」という世界の話になります。

 高得点を目指すための勉強が逆に、合格点をとることの足かせになってしまうケースもあるのです。

 高得点を目指すための勉強は、ある程度「広くかつ深い」ものにならざるをえません。しかし、これは、「何でもかんでもやろうとして、結局、中途半端になる」ことにつながります。

 大学入試や資格試験のような、「得点」そのものではなく「合否」のみが問題となる試験の場合は、高得点ではなく合格点を確実にとるための勉強を志向すべきです。

「トップの成績で合格したという実績をどうしてもつくりたい」などという場合であれば話は別ですが、とにかく合格点にさえ達していれば、合格点ギリギリであろうが満点近い高得点であろうが、そこに差はないのです。

 合格点を目指す勉強とは、合格点に達することさえできれば、捨てるところをある程度つくってもいいというものです。

 というより、いかに捨てるべきところを思い切って捨てて、本当に注力すべきところに全力を注ぐかが、勉強の成果や効率性を大きく左右します。

 効率的に勉強できる人は、このあたりの見極めや取捨選択が抜群にうまいので、最小限の時間と労力で試験合格という結果を出せているわけです。