東大を独学で現役合格し、さらに東大大学院を受験で合格。学生時代から取得した資格の数は600を超える。これまで20年以上、試験をずっと受け続けている著者だからわかる、点数をとるワザを紹介していきます。小手先のテクニックではなく、長く勉強し続けていくために必要な戦略が詰め込まれている東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える点数稼ぎの勉強法から、一部抜粋して紹介していきます。東大に受かる人や本当に頭のいい人の学ぶ姿勢は、必読です。

読解、作文、論理的思考、語彙のスキルを極める

 得点力を高める極意はズバリ、「国語スキル」を伸ばすことです。

「国語スキル」をもっと具体的に言うと、読解、作文、論理的思考、語彙などのスキルです。

 これらのスキルを伸ばすことで、国語の点数が上がるのはもちろん、他の科目でも相乗効果的に得点力が高まります。問題文を読むスピードが上がったり、記述問題で質の高い解答が書けたり、暗記の語呂合わせで使える語彙が増えたりと、いいことずくめです。

 国語とは直接関係がなさそうな数学・物理・化学の科目でも、国語スキルの有無が得点力を大きく左右します。記述問題では「Aという前提条件があって、Bという理由でCだといえるので、結論としてはDとなります」という内容を筋道立てて文章で説明・表現できなければ、頭ではわかっていたとしても得点できないからです。

「そうはいっても、しょせん日本語なんだから自分は大丈夫、それなりにできているはず」と思っている人も多いでしょう。しかし、客観的な国語スキルは、自分が想像している以上に低いと認識しておいたほうがいいです。

 英語の話になりますが、TOEICや英語検定の問題は「これがもし英語ではなく日本語で出題されていたとしたら、確実に満点がとれるだろう」と思えるかもしれません。しかし、ネイティブ並みの帰国子女でも、満点をとれる人はごく一部です。英語ができているつもりでも、文法などの細かいところで正確にはわかっていない箇所があるものなのです。

 日本語に関して、自分はそんなことはないと言い切れるでしょうか。普段の生活を送るうえでは日本語で困る機会が特になかったり、多少変な日本語を使っていてもわざわざ指摘してくれる人がいなかったりするために、自分の日本語スキルの「抜けている部分」に気が付いていないだけかもしれません。

 ところで、私はとある人材ビジネス会社にも所属していて、就職活動中の大学生が書くメールやエントリーシートなどの文章を読む機会が日常的にあります。

 学生の書く文章を見ていると、失礼を承知で書きますが、「まるで小学生のような幼い語彙の文章」「敬語が正しく使えていない文章」「誤字脱字だらけの文章」が決して少なくありません。

 文章の書き方は学校で専門的に学ぶものではないので、学生の作文スキルが総じて低めであることは仕方のないところもあります。しかしこれは逆に、少しノウハウを学んで訓練するだけで、簡単に周りと差がつけられるということでもあります。

 作文、語彙、敬語といった国語スキルは、大学に入ったらレポート作成や就職活動で必ず必要になりますし、社会人になったら当然仕事で必要になります。どうせ後から必要になるスキルなのであれば、小中高校生のうちからできる限り鍛えておくのが得策です。

 普段の勉強と並行して、息抜きも兼ねて文章術や語彙、ロジカルシンキングなどをテーマとした書籍を読んでみることをおすすめします。「文章はこんなふうに書けばいいのか」という基本的なノウハウを知るだけでも、質の高いアウトプット(答案)を作り上げるスキルは格段にアップします。