香川真司
日本代表の練習に参加する香川真司 Photo:JFA/AFLO

日本列島を熱狂の渦に巻き込んだ、昨夏のワールドカップ・ロシア大会を最後に日本代表から遠ざかっていたMF香川真司(ベシクタシュJK)が満を持して復帰。22日にコロンビア代表と日産スタジアムで、26日にはボリビア代表とノエビアスタジアム神戸で対峙する、キリンチャレンジカップ2019で森保ジャパンでの初陣に臨む。「平成生まれで初めての日本代表選手」になってから足かけ12年。30歳になった香川は2022年の次回ワールドカップを照準にすえて、長く自身の象徴としてきた「10番」を再び背負いながら「平成最後の日本代表戦」を静かに待っている。(ノンフィクションライター 藤江直人)

移籍デビュー戦16秒でゴール
好調さをアピールし、日本代表へ復帰

 遠く離れてみて、大切なものにあらためて気がつくことがある。21歳でヨーロッパへ旅立ち、2019年で10年目を迎えた香川真司が再確認したのは、憧憬の念を抱き続けてきた日本代表の存在だった。

 大会前の下馬評を鮮やかに覆す快進撃の末にベスト16進出を果たした、ワールドカップ・ロシア大会の主力をあえて招集しない斬新な顔ぶれで、森保ジャパンは昨年9月に船出した。

 初陣となったコスタリカ代表戦では、中島翔哉(当時ポルティモネンセSC、現アル・ドゥハイルSC)や南野拓実(ザルツブルク)、東京オリンピック世代の堂安律(FCフローニンゲン)らが躍動。一転して10月シリーズになると、森保一監督はロシア大会組を融合させるべく、満を持す形で6人を復帰させた。

 DF吉田麻也(サウサンプトン)やDF長友佑都(ガラタサライ)、MF柴崎岳(ヘタフェ)、FW大迫勇也(ベルダー・ブレーメン)らが加わった森保ジャパンは、大量4ゴールを奪って強豪ウルグアイ代表を撃破。痛快無比なゲーム展開はファンやサポーターを酔わせ、興奮させた。

 ロシアの地で喜怒哀楽を共有した盟友たちが、中島や南野たちとともに、新たな一歩を力強くスタートさせている。ドイツの地で森保ジャパンの動向を欠かさずチェックしていた香川の胸中には、時間の経過とともに、二律背反するかのような感情が頭をもたげていた。