とはいえ、客数が一貫して減っているのは事実なので、「やはり一定数のお客さんが禁煙化で客離れになったのではないか」という疑問は出てくるでしょう。

 この全席禁煙の影響ですが、要素を分解すると、禁煙になったのでお店を使わなくなった(離れた)顧客の数と、逆にタバコを吸う顧客がいなくなったのでお店を使うようになった(増えた)顧客の数の差し引き、ということになります。

 日本人の成人(男女合計)の喫煙率は18%ですから、単純に考えると、サイゼリヤでは離れた客の数も増えた客の数も、実際の増減のマイナス2.4%よりも多いであろうことが推測されます。

全席禁煙を打ち出す前も
客数は一貫して減少していた

 さらに、もう1つ気をつけなければいけないことが、この2.4%減は禁煙の影響だけではないということです。11ヵ月連続ということで言えば、全席禁煙を打ち出す前の時期でも、サイゼリヤの客数は一貫して減少していたことになります。

 サイゼリヤの場合、2018年7月下旬に全国約1000店舗のうちの約300店舗で全席禁煙が始まり、今年9月までに全店での全席禁煙化を完了する予定になっています。禁煙化が始まった2018年8月から直近(2019年2月)までの7ヵ月に限っていうと、客数の減少率は2.0%。そしてその1年前となる、禁煙化と関係がない2017年8月から2018年2月までの客数の減少率は1.1%です。

 そう考えると、禁煙化の悪影響はせいぜいその差の1%未満(単純計算で0.9%)。となり、禁煙の影響が既存店売上高の大きなマイナス要因とまではいいにくい気がします。

 では、禁煙がプラス効果になったという串カツ田中のデータを見てみましょう。こちらは2018年6月に全面禁煙を行ったところ、むしろ客数が大幅に増えたという報道がありました。2018年5月における客数は対前年比で4.5%マイナスだったのが、6月には2.2%のプラスと大きく(6.7ポイント)改善したので、そう報道されたようです。