東大を独学で現役合格し、さらに東大大学院を受験で合格。学生時代から取得した資格の数は600を超える。これまで20年以上、試験をずっと受け続けている著者だからわかる、点数をとるワザを紹介していきます。小手先のテクニックではなく、長く勉強し続けていくために必要な戦略が詰め込まれている東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える点数稼ぎの勉強法から、一部抜粋して紹介していきます。東大に受かる人や本当に頭のいい人の学ぶ姿勢は、必読です。

「得点」とは、相手の求める答えを出すこと

「得点力」とはすなわち「コミュニケーションスキル」です。

 相手からの問いに対して、相手が求める答えを的確に返せるスキルです。

 恋人や友達にプレゼントを贈るとき、「自分が贈りたいもの」ではなく、「相手が欲しがっているもの」「相手を喜ばせられるもの」を選びますよね。

 それと同じで、ただやみくもに「漠然とした学力」を高めるだけの勉強をしていてはダメなのです。

 大学入試や資格試験では、大学・資格ごとに、「こんな成果を出せる学生・受験者に合格してほしい」という想いやビジョンがあります。

 そして、条件を満たす学生・受験者を選抜できるような試験問題が作成されています。

 ところが、多くの学生・受験者は、大学入試や資格試験の作問者の意図からずれたアウトプットしか出せないような、非効率な勉強をしてしまっているのです。たとえば、

・作文スキルが磨かれておらず、質の高い文章が書けていない
・細かい知識が求められているのに、用語や数字などを正確に覚えられていない
・勉強していることはうかがえるが、重要な箇所の理解がおろそかになっている

 といったぐあいです。

 ひとくちに「学力」といっても、具体的にどんな知識やスキルを身につければその試験に受かるのか、という勘どころを見極めた勉強をしなければなりません。

 すなわち、「学力」と「得点力」は、まったく別物なのです。

 勘どころを見極めた勉強をするには、「相手の好み」を知るための「過去問分析」を行う必要があります。

 また、本番の試験においても、ひとりよがりな解答をしてしまう人がいます。

「記述問題で、文字数や盛り込むべき内容の条件が指定されているのに、それに沿わない解答をする」「問題文について自分勝手に変な解釈をしてしまい、的外れな解答をする」などです。

 これらは自分では「正しくできているつもり」になってしまっていることが多く、不適切な解答になっていることに自分では気付きにくいので、注意が必要です。

 普段のテストで「えっ、どうしてこの解答で×なの?」と思うことが多い人は、自分には「相手側の立場に立った視点」が欠如していると考えたほうがいいです。

 答案は「自分がつくるもの」ではなく「誰かが読むもの」であるという意識をもたないといけません。これは、まさにコミュニケーションスキルです。

 逆に、その意識をもつだけで得点力は高まります。

 東大生は「勉強はできるけれどコミュニケーションスキルは低い」というイメージがあるかもしれませんが、むしろ意外とコミュニケーションスキルの高い人が多いです。

 相手が求めるものを的確に返すスキルをもつ人たちだからです。

 以前、とあるテレビ局のスタッフさんから、番組の出演者として「いかにも勉強しかしてこなかったような、ステレオタイプな東大生」を紹介してほしいという依頼を受けたことがあります。

 このような、マンガにでも出てきそうな「いかにもな東大生」というのは現実にはあまり存在しておらず、探すのがけっこう大変なのだそうです。

 実際の東大生の多くは、人当たりがよく、快活で、礼儀正しい人たちです。

 得点力が高い人ほど、作問者側の気持ちになって「試験」や「勉強」というものをとらえることができますし、逆に、作問者側の気持ちがわかるようになれば、得点力は上がります。

 得点力を高めることと、コミュニケーションスキルやヒューマンスキルを高めることとは、実は表裏一体なのです。