『週刊ダイヤモンド』2019年4月6日号の第1特集は「スタートアップ4.0」です。いま、日本は、第4次ベンチャーブームと呼ばれる活況の中にいます。イノベーションの源泉をベンチャーに求める大企業の動きや、成功を遂げた起業家による次世代の起業家への支援など、カネとヒトの両面で以前のブームとは大きく中身が変わってきました。果たして、今回のブームは「定着」へと前進するのでしょうか。その内実を検証します。

大企業がスタートアップ企業に投資する案件がここ数年で急増しています。
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「うそだろ!?」――。建設業界のマッチングサービスなどを手掛けるローカルワークスの清水勇介代表は、同社ホームページの「お問い合わせ」用の代表アドレスに送られてきた一通のメールに目を疑った。

 メールの送り主は、売上高1兆2000億円超の住宅大手、住友林業。そんな雲の上の存在が、社員数わずか20人ほどのベンチャーに「協業」を申し出てきたのだ。

 一般的に、出資や協業の提案は、金融機関や人脈を通じて接点を探るもの。それが、ホームページ掲載の代表アドレスに直接連絡するというのは、あまりにも愚直であるが、同時に、熱意を感じるに十分な“ラブレター”だった。

 昨年4月、ローカルワークスは、住林と複数のベンチャーキャピタル(VC)などから2億円を超える資金調達を受けた。住林と顧客紹介や建設事業者データベースの活用で協業を図るなど交際は順調のようだ。

 活況な「スタートアップ4.0」を支えているのは、このような大企業との資本と業務の提携だ。

 スタートアップの情報データベースentrepediaを運営するジャパンベンチャーリサーチの調べによると、スタートアップと上場企業の事業提携件数は2018年、392件に上った。これは15年と比べて2倍以上の水準だ。