2019年4月に罰則つき残業規制がスタートすることもあり、「働き方改革」は喫緊の課題となっている。そんななか、プレッシャーが増しているのがプレイングマネジャー。個人目標とチーム目標を課せられるうえに、上層部からは「残業削減」を求められ、現場からは「仕事は増えてるのに…」と反発を受ける。そこで、1000社を超える企業で「残業削減」「残業ゼロ」を実現してきた小室淑恵さんに『プレイングマネジャー 「残業ゼロ」の仕事術』をまとめていただいた。本連載では、本書のなかから、プレイングマネジャーが、自分もチームも疲弊せずに成果をあげるノウハウをお伝えしていく。
メールの「テンプレート化」でムダ激減
業務の「ムダ取り」を徹底することは、職場で「働き方改革」を進めるうえで重要なテーマです。そのために、私たちが真っ先におすすめしているのが、チームでさまざまな「テンプレート(文書のひな形)」を作成・共有することです。メール文から連絡文まで、あらゆる文案や書式をテンプレート化すると、実に多くの恩恵をもたらしてくれるのです。
私たちの会社では基本的に、メール文はテンプレートをアレンジしながら作成しています。テンプレートがあれば、テキストを打つ時間を大幅に短縮できるのはもちろん、担当者が急病などで対応できないときにも、他のメンバーがすぐにメールを送ることができます。チーム内でメールの質を底上げすることにつながるのも、大きなメリットといえるでしょう。
また、テンプレートがあれば、必要な事項を漏れなく記載することができるというメリットも重要です。一通ずつメールを書き起こしていると、どうしても記載内容に「抜け漏れ」が生じることがあります。その結果、相手にその「抜け漏れ」を問い合わせる手間をかけさせることになり、1往復で終わるはずだったやり取りが2往復、3往復と増え、その対応に多くの時間を割かなければならなくなってしまうのです。そのような事態をふせぐためにも、テンプレートは大きな力を発揮してくれます。
「テンプレート」を使うたびにブラッシュアップする
下図のように、各種メール文のテンプレートを整理して共有フォルダに保存しておけば、いつでも誰でも必要なときにテンプレートを使うことができます。
たとえば、当社の「ワーク・ライフバランスコンサルタント養成講座」を運営している部署では、受講生と実に多くのやり取りをしています。そのため、定型的に使う可能性のあるメール文をテンプレート化して、共有フォルダに保存・蓄積していきます。そして、次にそのテンプレートを使ったメンバーが、修正・上書きをすることで、テンプレートをブラッシュアップしていくわけです。
それぞれの業務の流れに合わせて「【01】初回ガイダンスのご案内」「【02】入金方法のご案内」のように番号を振っておくとともに、イレギュラーなメール文については「【99】入金が確認できない」といったように、「90番台」で整理しておくととても便利。ファイル名は「いつ、どんなときに使うか」がわかるようなものにしておくと、テンプレートを探しやすく効率的です。
また、メール文のテンプレートは、下図のように「★」などの目立つ記号を上手に使って、「出席の場合」「欠席の場合」など、状況次第で使う文面を選びやすくするといいでしょう。また「宛名」「期日」など、メールごとに記入すべき部分に「●」などの記号を入れておけば、記入漏れなどのミスをふせぐことができます。