経営×経理

 たとえば、マネジャークラスであれば、今後の経営方針や各部署での活動予定などを、スタッフらに適宜、情報共有することが基本です。そうすることで、スタッフらは自身の担当業務の中で、費用対効果・生産性に即したコスト管理方法を模索するでしょう。マネジャーは担当業務やレベルに応じてスタッフを適宜サポートしながら、それを促すのです。

 人事部において人材育成に力点を置く計画があれば、これまでの研修費用と収益・利益などを対比させた参考資料を作成してプレゼンする。あるいは、製造部で人員配置を工夫して生産性を上げる計画を立てているとしたら、これまでの生産量や人件費、諸費用などを集計したデータを発信する。

それぞれの立場で現状に
則したコスト管理を目指す

 こうして、各部署が取り組んでいる課題に対し、経理部サイドがコストを示すことで、相手方は有効なコスト投入を念頭を置くことができます。ひいては、計画にブレがないかを再検討し、より良い方法を選択できるのです。

 さて、あなたの会社の経理部は、どのようなスタンスでこれまでコスト管理に取組んできたでしょうか。経理部スタッフ、マネジャー、そして経営陣も、それぞれの視点で改めて振り返ってみてください。規模や業種によりコスト構成は異なるでしょうが、もしも長年見直しされていなければ、何らかの軌道修正箇所が潜んでいるはずです。

 スタッフクラスは、自身が関わるコスト管理の中で課題点を洗い出し、マネジャーはスタッフの意見を傾聴して実行を促す。そして、経営陣はマネジャーの意向と進捗状況を確認するといった、具体的な行動を起こしてみるのです。
 
 このように行動することで、次の四半期ではP/L、C/R上にわずかでもよいトレンドが表れることでしょう。

(ビジネス作家・経理環境改善コンサルタント 田村夕美子)

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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