たとえばfreeeの人事評価プロセスには、「インパクトレビュー」というものがある。「成果=インパクトの大きさ」を明確にすると同時に、「この人が出したインパクトは、今このくらいのスケールだけれど、この人が今後成長するためにはこういうことが必要だ」とジャーマネが評価して、メンバーの成長プランをブラッシュアップしていく制度である。

 実はこの制度、ジャーマネのレビューのスキル次第で、「意味のあるフィードバック」になるのか、「仕組み上やっているがよくわからないフィードバック」になるのかが分かれる。フィードバックの内容を見るだけで、ジャーマネがどれくらいチームのことを見通せているかがわかってしまうのだ。

 たとえば、営業なら「もっと成約率を上げましょう」とか、エンジニアなら「こういう知識をもっと身に付けましょう」など、レビューがふわっと表層的な内容である場合は、悪い例であることが多い。

 確かに、最終的には「あなたにはこの知識が足りないから、これだけの知識を身に付けましょう」という内容なのかもしれない。けれども大事なことは、それを本人が本当にやりたいと思って自発的に行動に移すことである。そういうところまで考えているなら、具体的に何が課題なのか、その人が何に燃えるのかを踏まえた上で、「こういうチャレンジに向けて、どういうポイントから取り組んで行かなきゃいけない」といった、具体的で緻密なレビューができるはずなのだ。

「頑張ればできる」と
思わせるのが一流のマネジャー

 もちろん、最初から優れたジャーマネなどいない。だから、インパクトレビューの課題のセットの仕方や、メンバーをその気にさせるスイッチの押し方が上手くなるように、会社としてもすごく時間を使っている。ジャーマネ向けの研修や勉強会には惜しみなく投資を行なうし、レビューの精度を上げるために議論をする場を設けている。メンバーと本気で向き合う仕組みを意識的に導入することで、ジャーマネ自身のスピード感ある成長にも繋がっていくと思うのだ。

 いずれにしても、チームのメンバー自身に「頑張ればできる」「やったらすごく意味がある」「しかもやった結果良かった」と思わせる力がすこぶる強い。あるいは、そう思わせるアイディアに溢れている。

 これが「一流のマネジャー」ではないだろうか。