『週刊ダイヤモンド』2019年4月6日号の第1特集は「スタートアップ4.0」です。いま、日本は、第4次ベンチャーブームと呼ばれる活況の中にいます。その背景には、日本で長らく存在感が薄かった個人でベンチャー企業に投資する「エンジェル投資家」の多様化があります。特集のスピンオフとして、連続起業家・エンジェル投資家として知られる家入一真さんにインタビューしました。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 岩本有平、ダイヤモンド編集部 山本 輝)
――なぜエンジェル投資家に?
もともと、僕は21歳の時に福岡でpaperboy&co.を起業して、25歳でGMOからの買収オファーを受ける形で東京に出ていきました。その時に、ライブドアの堀江貴文さんとかGMOの熊谷正寿さんといった方々にかわいがってもらったことがきっかけで、29歳には上場できたわけです。
結局、何者でもなかった僕を面倒見てくれた人たちがいて、僕も、僕らの世代も成長させてもらった部分があります。
だからこそ、今度は僕らが下の世代に同じことをしていかないといけない。上の世代から受け取った恩は、彼らに恩返しをするのではなく、バトンのように下に繋いでいくということが大事なんです。
しかも、福岡時代は同世代の起業家が周りに全くいなかったのですが、東京に出てきたタイミングで、はてな創業者の近藤淳也さんが京都から東京に出てきたり、ドリコムの内藤裕紀さんやグリーの田中良和さんが起業したりとタイミングが重なりました。この世代は「76世代」と言われますけど、「同世代の起業家ってこんなにいるんだ」と思うと同時に、全員が「自分たちが次の世代を担うんだ」という感じでしたので、僕もそれに感化されました。