「新人研修でトラブルになりました」

 C部長は慌てた声でこう言うと、D社労士にBの件についてこれまでの経過を説明、後ほど詳細をメールで送る旨を伝えた。すると、D社労士は冷静に答えた。

「わかりました。こちらで甲社の相談内容を整理して、明日の朝までにメールでアドバイスを送ります。それから続きを進めましょう」

社労士のアドバイスを基に
甲社はどのように対応するか

 翌日の朝、出勤するとD社労士から約束通りメールが届いていた。その内容は下記である。

<Bの両親からのクレームへの対応について>
(1)両親の言い分を整理した上で会社として、対応すべきこととできないことを明確にし、対応できない場合は根拠理由を説明すること。
(2)両親との対応はA課長とC部長の2人で行い、話し合いの内容は必ず録音、文書等で記録しておくこと。
(3)今後の展開によっては、弁護士へ相談すること。

 D社労士のアドバイスを基に、甲社は以下のように対応することにした。

(1)今回のBの病院代は甲社が全額負担する。(後日労災申請する)(注)
(2)Bの休業補償について、研修期間中は給料を全額支給し、研修終了後出社不能であれば就業規則に基づいて対応する
(3)Bの総務部配属については他の社員と同様に扱うこととする。
(4)甲社から乙社への入社打診は行わない
(5)慰謝料について、研修についていけなかったBには休憩を与えているし、先輩の叱責はBだけではなく他の新人も同等に受けているため、言動もB個人を貶めるものではない。従って現段階での慰謝料請求には応じない

注:研修中は業務にあたるので、労災(労働者災害補償保険法第1条)の対象となる。病院の治療代は全額労災保険から支給される。申請先は所轄労働基準監督署である。