職場の部下の「許していいミス」と「許しちゃいけないミス」の決定的な違い写真はイメージです Photo:PIXTA

コンプライアンスへの配慮から「優しい上司像」が求められるようになって久しい。だが、「20世紀最高の経営者」と言われたジャック・ウェルチは、それを本当の優しさではないと考える。真に優しい上司とは、部下を甘やかす存在ではなく、成長へと導く存在だ。部下の力を伸ばす、成果重視のマネジメントとは?※本稿は、社会学者のライナー・ツィテルマン著、国枝成美訳『巨富を築いたビリオネアの思考法』(アルソス)の一部を抜粋・編集したものです。

20世紀最高の経営者ウェルチが
敢行した大リストラ

 管理職は大きくふたつのタイプに分けられる。ひとつは、あらゆることでみなが歩調を合わせることを好み、何より部下から好かれ「いい人」でいたい、調和重視型のタイプ。もうひとつが、変化や進歩のためなら社内の利害対立も辞さない、厳しい成果重視型のタイプだ。

 成果重視型の上司として真っ先に挙げられるのがゼネラル・エレクトリック(GE)の元CEOジャック・ウェルチだ。1999年には、「フォーチュン」誌で「20世紀最高の経営者」と称えられた彼のリーダーシップの原理はいまでも十分通用する。

 1981~2001年の20年に及ぶウェルチのCEO在任中、同社売上高は270億ドルから1300億ドル、年間利益は600%アップの127億ドルに達した。2000年後半には、時価総額4750億ドルで世界最大の価値を誇る企業となった。

 その一方で、会社を再生するために40万人の従業員の4分の1をリストラした。このウェルチ流のリーダーシップスタイルは、当時、社内外に激しい議論と対立を巻き起こした。

 CEOに就任したウェルチは、GEのような硬直化した巨大企業を動かすには、社内構造を根こそぎ変革するしかないと気づいていた。