ニトリや匠大塚の家具を購入し
1ヵ月で700部屋改装

 2つ目は、部屋のリノベーション(改装)です。利用客に美しいと感じてもらえるよう、居住空間をデザインしているのですが、同時に利用客は家具購入コストを削減でき、われわれのスケールの恩恵を受けることができます。例えば、われわれはニトリや匠大塚から家具を購入しています。今月は約700部屋分の家具を買いますので、個人が自分の部屋のために買う時よりも、当然ながら取引条件は良くなります。引越し時の“頭痛の種”だった家具の購入コストという観点で、利用客はより多くの価値を得られるのです。

 3つ目はサービスです。例えば、建物のすべての部屋の住人が掃除機を買うよりも、1棟丸ごと清掃サービスを導入した方が、掃除や修理コストは安いですよね。これだけだと小さな話ですが、重要なのはこうした管理にテクノロジーを活用することで、より効率を高めることです。われわれはどの部屋のWi-Fi装置にトラブルが起きそうなのか、空調機をいつ修理すべきかといった、建物の管理者の仕事を予測することで効率化できます。だから、伝統的な企業よりも多くの部屋を管理できるのです。

 4つ目は、ITを活用したマネジメントです。例えば、OYOのウェブサイトへの訪問・閲覧した履歴から、利用客が好む部屋の家具や特徴を推測できます。画像認識技術を活用することで、どんなデザインの部屋だと人々はサイトの閲覧をやめてしまうのかが分かります。もしうまくいっている部屋のデザインが見つかれば、それを“コピー&ペースト”して他のOYOの部屋へと広げることだって可能です。

 適切な料金体系、美しくデザインされた空間、最適化されたオペレーション。これらをIT技術の活用で“満タン”にする。これが他の企業にないわれわれの強みです。

――既存の企業には、市場の“破壊者”として恐れられています。

 OYOの信条は、常にエコシステム全体を考えることです。例えば、インドでわれわれは最大の旅行代理店のパートナーになれます。中国ではわれわれは最大のホテルビジネスのパートナーになれるでしょう。日本では、勝瀬博則(OYO日本法人CEO)がわれわれと提携した東京・六本木の不動産会社について記者会見で紹介しました。不動産会社であっても誰でも、日本の若者や中産階級に美しい生活空間を届けるという、ビジネスの“革命”を目指して共に一丸となって仕事をすることを楽しみにしています。われわれとビジネスをする誰もが儲かるべきだという信念を持っていて、パートナーが皆お金を稼げるようになることが、私たちの長期的な成功につながると考えています。