イタリアのポピュリスト政権は今週、イタリア銀行(中央銀行)と金準備を政府管理下に置くための措置に乗り出す。エスタブリッシュメント(既得権層)の象徴に対して、対決姿勢を改めて鮮明にする構えだ。イタリア議会では、中銀を標的とする2つの法案が審議されている。連立を組む反エスタブリッシュメント政党の「五つ星運動」と反移民を掲げる「同盟」の指導者は、イタリアの独立機関を攻撃しており、今回の動きもこの一環だ。両党は中銀を一般市民の事情に疎い、官僚エリートのシンボルと位置づけている。イタリアでは近年、複数の銀行が経営破たんに追い込まれ、数十万人の個人投資家が多額の損失を負った。これを受け、国民の間では過去の政権や中銀に対する怒りが広がっている。
中銀と金準備は「国民のもの」 伊ポピュリスト政権の標的に
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