今回の府知事選および市長選は「大阪都構想」の是非、もっと言えば、それを再提案することの是非が争点となっている。では、そもそも「大阪都構想」とは一体何なのか。「制度論」の観点から検証し、解説してみた。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)
「大阪都構想」とは
一体何なのか
住民投票により否決された「大阪都構想」。
これを提案し、実現を目指す地域政党(制度上は政治団体)の大阪維新の会は、再度これを住民投票に付すべく動いてきた。しかし思いどおりにはいかず、大阪府知事および大阪市長が両方とも辞職し、現大阪府知事が大阪市長選候補として、現大阪市長が大阪府知事候補としてそれぞれ立候補するという、前代未聞の挙に出るに至った。
まるで破れかぶれ解散だが、統一地方選と同時期にというのは、反「大阪都構想」勢力が党の枠を超えて結集するのを困難にすることができるとの打算が背景にあったのだろう。
府知事戦は3月21日に、市長選は24日にそれぞれ告示されたが、4月7日の投開票に向けて、いずれの選挙も大阪維新候補に有利に展開してきているようである。
改革がどうの、利権がどうの、既得権益がどうの、前だ昔だと、根拠の薄弱ないつものお得意の、おざなりな主張が大阪維新側から乱発されているようだが、実質的には今回の府知事選および市長選の争点は「大阪都構想」の是非、もっといえば、それを再提案することの是非であろう。
では、その「大阪都構想」とは一体何なのか。制度論の観点から解説してみたい。