したがって、景気が後退するとすれば、何らかの力が外から働く場合となるが、国内を見渡す限り、景気を後退させるような力が働いているとは思われない。

 消費税がどの程度の影響を及ぼすかについては不明だが、増税幅が前回(5%→8%)より小さいこと、またさまざまな景気対策が講じられていることなどを考えると、これも景気を後退させるとは考えにくい。

中国要因による一時的な生産の
落ち込みは短期間で回復へ

 足元の景気指標や景況感の悪化の主因は、中国の景気の落ち込みだ。中国は昨年、過剰債務問題への対応として「景気が多少悪化してもいいから問題を解決する」という方針で走り始めた。そのタイミングで“米中貿易戦争”が本格化したためダブルパンチとなり、景気が急激に悪化してしまった。

 それが、日本の対中国輸出を急激に減らしたのみならず、日本企業の景況感を悪化させたり生産活動を慎重化させたりしているのだ。

 しかし、中国政府の景気コントロール力は凄(すさ)まじいものがある。なんといっても、リーマンショックのときに世界で唯一、景気が悪化しなかった国が中国なのだ。今回も、政府は景気刺激策にかじを切ったようなので、短期間で景気は回復するだろう。実際、その兆候は既に現れているようだ。

 中国の景気が回復に向かえば、日本の輸出も回復するだろうし、企業の「在庫圧縮のための減産」も終わって、「減った在庫の回復のための増産」が始まるかもしれない。いずれにしろ、日本の生産も輸出も「一過性の落ち込みだった」ということになりそうだ。