全体をほめるか、部分をほめるか?

「今期も目標達成して頼りになるな!」
「いつも若手のお手本になってくれてありがとう!」
これは、相手の仕事ぶりそのものを全体的にほめています。
このように仕事ができる人は、いくらでもほめられるので、特にほめるときに困ることは無いでしょう。

問題は、成績もいまいちで、予算を達成するわけでもなく、全体でほめようにもほめられない場合です。

そういう場合は、その人の仕事の中の一部分をほめれば良いのです。そもそも、成績が悪い部下ほど、怒られて自信を無くして委縮してしまいます。
成績が悪い部下だからこそ、上手にほめて上昇のきっかけを作ってあげなければいけません。そんな時には、仕事の内容を要素分解して、その中でも上手く行っている一部分で良いのでほめるのです。

例えば、仕事の流れをプロセスで要素分解して考えます。

<営業の場合>
テレアポ→初回訪問→提案→受注
この過程で上手く行っている部分がない場合は、更に一番良いフェーズを要素分解してください。

<営業の過程の中の「テレアポ」だけにしぼった場合>
リスト集め→リスト作成→テレアポトーク作成→テレアポ入電件数→アポ取得件数

このように細かくしていけば、その中でほめる場所は出てくるはずです。
「取得のアポ数はまだ少ないけど、アポをかける入電の件数は非常に良いし、頑張っているからその調子だ。トークを少し工夫すれば取得も絶対に増えてくるぞ!もう一歩だからがんばれ」

仕事の内容をほめればセクハラとは全く無縁です。
でも、そのシンプルなことができていない人が多いだけです。
世の中のセクハラ論争は無駄なことばかりです。
職場なんだから、仕事の話をしましょう! それで論争は終止符を打つわけです。
仕事の話で関係性を作っていけば、セクハラとは無縁です!

これで安心!セクハラにならない異性のほめ方羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。