永松氏自身も「国内コンビニ業界は非常に苦しく、根本的な変化の渦中にある」と現状認識を示したうえで、「今まで以上にきめ細やかに、個店の経営環境に合わせたサービス、商品、営業時間にする」と考えを述べた。

 24時間営業問題の詰め腹を切らされた形となった古屋氏は、会見に出席しなかった。

実験は“結論ありき”と認めた新社長

井阪隆一HD社長 Photo by Y.S.

 当然ながら、24時間営業の可否について会見では質問が集中。永松氏は、「個店に合わせた柔軟な対応をやる」と述べた。一方、井阪社長は、一部店舗で深夜閉店の影響を調べる実験中であることを前置きした上で、「深夜営業によって生活基盤を得ているオーナーがいる。拙速に深夜営業をやめて、オーナーの生活やブランドを棄損してはならない」などと、慎重な考えを何度も強調した。

 そして極めつけは、新社長である永松氏の発言である。以下に引用しよう。

「私どもが30年くらい前、16時間営業から24時間営業に切り替えた時、2割ほど(店舗の)売り上げが増え、それに従って利益も増えた。オーナーからも『もっと早くやればよかった』との声が出た。午前7時開店だと、午前6時には(開店の)用意をし、閉店時刻が23時なら、閉店作業が(翌日の)午前0時過ぎに終わる。(閉店している)時間中に何もやらなくてもいいわけではない。だが24時間営業なら、オーナーは店の開け閉めをやらなくてもいい。その状況を(自分は)当時目の当たりにしている。(深夜営業の取りやめで)逆のことが起きると(売り上げなどが)かなり厳しくなるというのがある程度読めているので、それを明確にするためにテスト(直営店での実験)をやっている」

 なんと、現在の時短営業の実験があくまで、その“デメリット”を明確にすることが目的なのだと、新社長自らはっきり語ってしまったのだ。それも、昨今とは雇用環境がまるで異なる30年ほど前の実感に基づいて。

 いずれにせよこの実験の“本当の結果”を語ることができるのは、もちろん日々現場で汗を流すオーナーだ。

 セブン‐イレブンや他チェーンなどのオーナーで作るコンビニ加盟店ユニオンの副執行委員長で、現役のセブンオーナーでもある吉村英二氏は、消費期限が迫った食品を閉店前に値下げして売り切る「見切り販売」が、時短営業の鍵になるとの認識を3月のユニオンの会見で示している。