以前は企画ものやドキュメンタリー、ニュース特番などに非常に面白いもの、尖ったものがありました。ところが今はどうも、ひな壇などの場だけ用意をして、後はお笑い芸人やタレントの方々に任せきりと思える番組が少なくありません。

 年末の楽しみも減ってしまいました。

その昔、テレビには
革新的な番組がたくさんあった

 私の中で1つの金字塔ともいえる番組は、1987年3月14日の深夜1時55分から4時間オンエアされた「TV'sTV」という番組です。

 どんな番組かというと、それぞれ30秒から1分ほどの100のコンテンツがCGで描かれた100個のテレビの中に用意されていて、それがランダムに展開されるというものです。内容は様々で、メディアアートの最先端といえるものばかり。環境映像やゲームの1場面、海外の天気予報や映像作品、噴火の映像、アポロ11号の打ち上げと月面着陸のシーンなど、そして合間に何度となく、「TVシンドローム自己診断ソフト」という名前のイメージ映像が挿入されました。

 感動的にシュールです。私はこの番組を録画しながらオンエアで見て、その後2度ほど、録画したものも見ています。ちなみに、この番組に携わったスタッフは後に、「アインシュタイン」や「ウゴウゴルーガ」(いずれも深夜1時10分~40分の番組)といった歴史に残る作品を生み出しています。

 そうした、いわば実験番組も数多く登場した時代です。

 ちなみにこの深夜枠では、その他にも羊から羊毛を刈り取り、洗浄しカードかけをし、毛糸により合わせ、染色して編み物をするという一連の過程を詳細に描いたノウハウものや(いったい誰がやるんだろう)、4時間ぶっ続けで料理を教えるなど、実験というのかオタクな趣味というべきかよくわからない番組がありました。夜中にひたすら料理を作り続けている番組を見ていると、なんだか異次元にトリップしたような感覚になったものです。

 ところが昨今ではテレビを取り巻く環境も様変わりしました。今でも変わらず最大のメディアといえますが、果たして時代を牽引しているとまでいえるでしょうか。正直に言えば、「ドキドキしながら見たい番組が見当たらない」という状況です。

 多チャンネル時代ですが、冒頭で述べたように、私にとってはBSもCSもそれほど面白いとは思えない。これはテレビっ子にとっては非常に大きな問題であるわけです。