あわただしい市場Photo:Reuters

米国経済に景気後退の兆候は見られない

 先日、米国の強気相場は10周年を迎えた。では、次の10年も株価上昇は続くだろうか。このような質問は時期尚早で、ばかばかしいとさえ感じられるかもしれない。S&P500指数は先週、2.1%高の2892.74で引けたが、依然として過去最高値の2930.75を1.3%下回る。これは市場が昨年9月に天井を付け、弱気相場が既に始まったことを意味する可能性がある。2週間前には、ほぼ確実な景気後退のサインと言われる逆イールドが発生した。

 だが、相場のピークはまだ先かもしれない。というのも、ただ長く続いているからという理由で、強気相場が終わることはないからだ。ヤルデニ・リサーチのデータによれば、1949年以降の強気相場の継続年数は平均5年4カ月である。最長期間は12年以上で、1987年から2000年のハイテクバブルまで続いた。最短は1966~1968年の2年強である。弱気な見方の大部分は、現在の相場回復が10年以上に及ぶことに基づく。

 現在の強気相場は、当初からあまり信頼されていなかった。相場が上がったり、下がったり、停滞したりするたびに、強気相場が終わる証拠だとみなされた。2009年に市場が底値から反発したとき、弱気派はいわゆる「だまし」だと警告したが、同年のS&P500指数は23%高で年末を迎えた。現在の株価は2009年の底値から328%上昇しており、右肩上がりだったかのように言われることが多い。しかし、その間は常に株式を売却するにふさわしい理由があり、一方で買い持ちを続けた見返りもあった。

 こうした状況はいつか終わるが、それは今ではない。確かに逆イールドは発生したが、米国市場に慎重な一部の投資家さえ、深読みし過ぎることを警告している。マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・ショール最高経営責任者(CEO)は、「米国経済について言えば、明確な悪化の兆候は見られない」と語る。最近の経済指標もこの見方を支持する。5日発表の3月雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比19万6000人増となった。製造業景況感指数も、昨年よりは鈍いペースながらも経済成長が続いていることを示唆する。