国税庁OBへの忖度で弱腰姿勢?

「OBたちを見殺しにできないということじゃないですかね」。国税庁の腰砕けの規制案について、大手生保の幹部はそう解説する。

 そもそも節税保険は中小企業の経営者をターゲットにしており、保険会社の代理店として経営者に販売している主役は税理士たちだ。国税庁OBの多くが税理士として活躍する現状で、食い扶持を奪い、果ては受け取った販売手数料を戻入(れいにゅう)させるような税務処理の見直しには、なかなか踏み込みにくいというわけだ。

 加えて、足元では統一地方選があり、今夏には参院選、10月には消費増税を控える中で、中小企業や税理士団体を敵に回すような施策には、政治家が黙っていないはずという見方もあった。

 そうした要因が国税庁の判断にどこまで影響したかはまだ不明だが、規制当局としていかにも弱腰の姿勢をとり、生保業界と裏で握り合っているかのような印象を与えたことだけは確かだ。

 11日以降、新たな税務処理ルールは意見募集にかけられ、早ければ6月に適用となる見通しだ。生保各社も順次、節税保険の販売を再開する傍ら、またぞろ新ルールの抜け穴を探すいたちごっこが始まることになる。

(ダイヤモンド編集部 中村正毅)