いとうまい子さんは、両親の看護・介護と研究・仕事をいかに両立させてきたか

俳優としても活躍する傍ら、ロボット工学を学び、健康寿命の延伸に貢献するロボット「ロコピョン」を開発した、いとうまい子さん。現在は東京大学大学院理学系研究科で研究しながら、2025年4月からは情報経営イノベーション専門職大学で教授として「ヒューニング学」を教えている。その間、父親を看病、母親を介護しつつ、研究や仕事を続けてきた。それらをいかに両立させてきたか、連載の後編では、自身の経験をもとに、介護に直面したビジネスパーソンにアドバイスをもらった。(聞き手/ダイヤモンド社論説委員 大坪 亮、文/ライター 奥田由意)

地域包括支援センターや
ケアマネジャーに救われた

――お母様の介護はどのようになされたのですか。

 母はある時期までは比較的健康で、私の自宅から徒歩7分くらいのところに住んでいました。私もよく訪ねて様子を見に行っていたのですが、ある日、一緒に散歩に出ようとしたら、途中で呼吸困難になってしまったんです。

 おかしいと思い、かかりつけの医師に連絡し、病院でレントゲンを撮ると、間質性肺炎が進行しており、心臓にも水がたまっていて即入院となりました。もし1日遅れていたら亡くなっていたかもしれないと言われたほどでした。

――病院ではどのようなサポートがありましたか。

 その病院の建物の一角に区役所の分室が入っていて、病院と行政が連携していました。母がいったん小康を得て退院する際に、「誰かのサポートがないと暮らせませんよ」と諭され、病院のソーシャルワーカーや地域包括支援センターの担当者が「今後どういう体制を構築していく必要があるか」を教えてくださいました。私はそのような行政の仕組みを知らなかったので、本当に助かりました。

 地域包括支援センターと連携したケアマネジャーが退院後の生活について、「ヘルパーさんに何日来てもらう」とか「デイサービスをどう利用する」とか「入所施設にはどんな種類があるか」などについて的確にアドバイスしてくださいました。

 行政や地域包括支援センターに相談すれば、私たちが知らないことを手取り足取り教えてくれます。要介護のランクに応じて受けられるサービスも教えてもらえます。介護が必要になったら、まずは行政の窓口に相談して、何をしてもらえるのか、何をすべきなのかを知ることが大切です。