お薬師さまは呪いに強い仏さまです。
 以前、「呪いを受けたとしか思えないことが次々起こって困っている」という相談を受けたことがあります。
 聞けば、その相談者には最近、霊能者としてある程度の能力をもつ人に恨まれるような一件があったといいます。
 そこで私はお薬師さまに頼ることにしました。
 祈って解決策をお尋ねすると、こんな答えがありました。

「相手を力で叩こうとすれば呪いを受ける。
 そうではなく光に溶かし込め」

 呪いという力は、それが呪いのせいだと思うほどに強くなるものです。
 とはいっても、気がつかないからといって呪いの力がまったく及ばなくなるわけではありません。
 こんな場合に私たちにできるのは、ご神仏に頼ることしかありません。

 呪いは、お薬師さまの薬壺の光で消えるものですから、お薬師さまの真言「オン コロコロセンダリマトウギソワカ」を唱えるといいでしょう。

 また、お薬師さまにお参りに行って、
「呪いというものがあるなら、助けてください」
 と祈ってください。これで十分です。
 あとは日々の生活で自分のできる最善を尽くしてください。

 たとえば、仕事を一生懸命やったり、自分のするべきことをしっかりやって日々すごしたりすることですが、そういう時にも一番大事なのは、「慈悲の心」です。
 つまり、人に優しくすることを心がけ、争う心を決してもたないことです。
 なぜなら、呪いという争い事を挑まれている時には、慈悲の心を輝かせることが一番の対処法だからです。

 もしも自分が呪いを受けていると思ったら、周囲に慈悲の光を放つくらいの行動に努めてください。
 また、お薬師さまの瑠璃色の光が満ちて、周囲を囲むようにめぐって癒していく様子をイメージしてください。

 もし、いらいらしたり怒りがわいてきたりしたら、真言を唱えて、瑠璃色の光ですべての悪しきものを溶かしていく光景をイメージしましょう。
 優しい気持ちで、慈愛と慈悲の中に包まれていくような感じです。

 あるいは、お薬師さまにお参りした時に、手を合わせながら真言を唱えてもかまいません。
 そうすると、お薬師さまが光を放ってくれますから、それを感じてみてください。
 真言は声に出さずとも、心の中で唱えるだけでも大丈夫です。
 口を軽く閉じたまま、口の中で舌先だけで小さく唱えるのでも効果はあります。