カナダ・アルバータ州のパプワース一家が経営する農場は、今春29年ぶりに菜種(キャノーラ)の作付けを見送った。中国が先月、カナダ産菜種の輸入を禁止したためだ。同国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の幹部がカナダで逮捕された件の影響とみられる。  世界最大の菜種生産・輸出国であるカナダは、突如として最大の輸出先を失った。同国の菜種生産量は過去10年で6割余り増加した。だが業界関係者などによると、今年は1割程度の減少が見込まれる。  カナダの生産の伸びを後押ししたのは、中国の着実な輸入増だった。昨年は対中輸出が110億カナダドル(約9240億円)と4割を占めた。