すると、自分が怒っていることをより理解してもらうために、いかにそれが迷惑なことか、相手が間違っているかが話の中心になってしまったり、相手に罪の意識を感じてもらおうと相手を責めるような言葉ばかりを重ね、肝心のリクエストをおろそかにした叱り方になってしまうのです。

 叱られる側は叱る側が感情的になればなるほど、その場から逃げ出したくなるか、逆に反発して怒りの感情が芽生えます。怒りは自分の身を守るために備わっている防衛感情だからです。怒りの感情は目の前にいる敵に対して、自分の身を守るために逃げるか、戦うかを身体に命令することでもあるのです。

 つまり、怒りで感情的になっている人が目の前にいて、自分を攻撃しているわけですから、叱られる側は動物として怒りの感情を使い、自分の身を守ろうとするのが自然の摂理なのです。

叱るときの4つのNGワード

 ここまで叱るときの代表的な4つのNG態度を見てきました。さらに、叱るときに使う言葉にも代表的な4つのNGワードがあります。これらはNGワードも叱られる側が叱る側に対して不信感を持つ言葉です。そんな言葉を使って叱っていては、相手はあなたが言っていることを素直に聞いてくれないでしょう。

 1.過去を持ち出す言葉

「前から言ってるけど」「何度も言ってるけど」という言葉を使ったことがある人も多いでしょう。これらは過去を持ち出す言葉です。なぜ人がこの言葉を使ってしまうのかといえば、自分が叱っていることがいかに前から一貫性があるのか、正当性があるのかということを主張したいからです。いわば自分が叱っていることは正しいということを強調するために使っている、修飾語のようなものなのです。

 叱られている側からすれば、「今関係ないのに」「今更そんなことを言われても」「なんで今そのことを持ちだすのか?」と疑問や不信感が湧き上がり、納得できません。

 叱るときは、今その場のことだけを叱りましょう。もし叱りそびれてしまったのであれば、また同じことが起きたときに叱ればよいのです。