前期は税引前当期純利益100万円に対して30万円の法人税等を払ったから当期純利益が70万円残り、会社の価値が上がりました。今期は法人税等はゼロですが、当期純利益は200万円の赤字なので会社の価値は200万円下がり、先代が200万円にしてくれた価値をゼロにしてしまったのです。

毎年、価値を上げていくことが求められる

 多くの中小企業が、法人税を払いたくないからと生命保険などの節税商品を買い、販管費を増やして営業利益を減らし、会社の価値を落とし、銀行からの評価を下げてしまっています。

 さらに言えば、ほとんどの節税は今払わないだけでいつかは払わなければいけない節税です。

 そもそも法人税等の実効税率は所得800万円超で約33%、それ以下の部分は20%台です。法人税が40%台の時代はたしかに高い感覚があったかもしれませんが、現在はそれほど大きい税率ではないともいえますし、節税に使ったお金の33%しか法人税は減らないのですから67%はお金が社外に流出してしまっていることになります。