トップ交代に端を発した“お家騒動”に揺れるLIXILグループ(リクシル)。昨年10月に退任した瀬戸欣哉前CEO(最高経営責任者)が、CEOに復帰する株主提案を表明する事態にまで発展した。トップに返り咲いた創業家の潮田洋一郎会長兼CEOは何を思うのか、直撃した。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

潮田氏リクシル会長・潮田洋一郎氏 Photo by Masato Kato

――これまで一連のトップ交代について沈黙を貫いてきました。

 4月9日に(今回のトップ交代をめぐる)調査報告書のほぼ全文が開示されました。それまでは何を発言しても主観的な議論になってしまいますので、あえて取材を受けることはしませんでした。

 2月25日に公表した調査報告書は要約版で、全文とは異なります。要約版は、まとめる際に、瀬戸(欣哉)氏からのプレッシャーがあり、瀬戸氏の主張に偏ったものになっています。

――要約版では、「取締役が潮田氏に遠慮があった」など、潮田氏に不利な記述が削られていますが。

 部分的にはそうかもしれませんが、全文は全体のバランスが取れていますよ。私はもともと全文開示に差し障りはないというスタンス。機関投資家から客観的な報告書が欲しいとの要望があったので、全文を開示しました。

――瀬戸氏のプレッシャーとは。

 報告書のこの文章がどうのこうのと、彼らの発言に言及している記述を消してほしい、と。