奨学金返済のためにパパ活、24歳バイト女性が陥ったマイルド貧困動物が好きで、小さいころから医療系の仕事を目指していたという真美さん。しかし、パワハラと過労で正社員を退職し、アルバイト生活に陥った

格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第16回は、「奨学金返済」のために貧困状態から抜け出せない24歳・アルバイト女性の日常を追った。(ライター 影山 優)

就職できた憧れの医療関係は
ブラックな労働環境

「小さいころから動物が大好きで、小学生のとき、自分で面倒を見るからと家族の反対を押し切って犬を飼いました。餌を与えるのも散歩に連れて行くのも自分でやるくらい動物が好きで、大学を卒業してからは医療にかかわる仕事がしたいと思っていたんです。そして大学卒業後は、憧れの医療関係の仕事に就くことができました」

 そう話すのは、長澤まさみ似の落ち着いた印象の真美さん(仮名・24歳)。ところが、憧れの医療関係への就職はできたものの労働環境は劣悪で、1年も持たずに仕事を辞めることになったという。