「使ってやる」という気持ちで
AIと仕事をすることが大切

秋山 AIの責任能力についても語っておきたいのですが、例えば医師は、AIが示した判断に最終的にOKを出し責任を取るといいますが、さきほどおっしゃったように、ブラックボックス化すれば何を論拠にその判断を出したかわからないですよね。そうすると、責任をとることも実際には難しく、形骸化するのではないでしょうか。

桑津 実は、画像診断について複数の医師に尋ねてみたところ、やはり画像診断はAIでやってほしいと言っていました。人間は同じ画像を連続して何枚も見る作業に堪えられる動物ではない。同じような画像を何枚も見ていると全部同じに見えるのが人間の脳みそだというのです。それこそ機械が得意なことだと言っていました。

 だから、画像診断でAIが医師の仕事を奪う以上に「自分の貴重な時間をもっとほかの医療行為や診療プロセスに使いたい」ので、AIのサポートはウエルカムであると。脅威とか反発と言う前に便利に使いたい気持ちの人もいると思うのです。奪われるのではなく、「使ってやる」くらいの気持ちをもつほうがいいのではないでしょうか。

秋山 疲労による間違いのリスクも低減しますし、例えば自動運転がもっと導入されれば、同様にドライバーの負担も減りそうですね。

桑津 いま飲酒運転は法律で禁止されていますが、自動運転が当たり前になれば、社会のルールも変わるべきです。お酒を飲んで車に乗っても責任は問われない社会にするほうがいいかもしれない。万一事故が起こったとき、刑事責任をどうするかとか、保険をどうするかと心配する人がいますが、それは技術革新が進んだその新しい社会の状況によって、ルールを変えていくべきでしょう。人間は撹乱要素になりますが、人間が運転するより自動運転のほうが明らかに事故率は下がるはずです。

秋山 一番悪いのは、中途半端に人が介在してかえってリスクが高まることでしょうか。