両親は、もちろんそらさんに協力している。だが、決して甘いわけではない。

 そらさんが未成年ということもあって、ハイカテは理加さんの会社の一事業部という形を取っている。そうすることで、未成年である生徒や講師の親たちからの信頼を得られているわけだ。

 また食事係は、今のところ理加さんの担当だ。しかし、「もちろん食材費は、そら社長からいただいています。そろそろ私の時給もいただかないと…」と、経営者の母はあくまでシビアだ。

「子どものビジネス」の枠を超えそうになると、父の英俊さんもシビアな態度に転換した。自宅1階の開放的な応接室を、「教室」として利用することが認められているのだが、その家賃を「4月から徴収する」とそらさんに申し渡したのだ。

「本当にうちは厳しいと思います。特にお母さんは厳しいです」と、そらさんはため息をつく。

社長でも部活をこなした後
塾の仕事と家の手伝い

 そもそも中山家には、基本的な約束事をおろそかにしなければ、家族の全面的なバックアップを受けられるというルールがある。

 小学生の頃から子どもたちにも“仕事”が割り振られていた。犬の散歩や餌やり、皿洗い、掃除など。それでいて、「テストは常に90点以上でなくてはダメ。塾なんて高いだけで成績は上がらないんだから、行く必要はありません」(理加さん)と、自力での成績アップを要求されてきた。

 社長だからといって、学業のみならず部活もおろそかにはできない。平日は、キャプテンとして部活の練習をこなした後、帰宅すると家の手伝いにハイカテのタイムキーパーを務めている。土日も、部活の後は平日にたまってしまった家の手伝いのほか、月の売り上げや講師の給与計算などをしている。