「インスタ映え」「自撮り」「写メ」など、写真にまつわる言葉が数多く生まれた平成時代。カメラはフィルムからデジタルへと大きな転換期を迎えた。一方で近年、フィルムカメラを見直す動きもある。平成のカメラの歴史を振り返りたい。(ダイヤモンド編集部 小野寺暁子、取材協力・写真提供/富士フイルム)
30年以上続くロングセラー
「写ルンです」
1986年(昭和61年)7月、世界初のレンズ付きフィルムとして「写ルンです」が発売された。コンパクトカメラが高級品だった時代に1380円(24枚撮り)で売るという画期的な商品だった。その後「写ルンです」にはさまざまな機能が追加され、1989(平成元)年には望遠、接近、1990年(平成2年)にはパノラマ、1991年(平成3年)には水中撮影ができる防水タイプなども発売された。2016年(平成28年)ごろから、アナログな仕上がりや現像するまで出来上がりがわからないドキドキ感がデジタルネイティブ世代にウケて、リバイバルヒット。