また15年6月30日午前11時40分ごろ、新横浜駅-小田原駅間「のぞみ225号」先頭車両で、職業不詳の男(当時71)が液体をかぶって自分に火を付け、巻き添えで女性(当時52)も死亡。26人が気道熱傷などの重軽傷を負った

 女性は事件に巻き込まれる前、フェイスブックに「これまでの無事平穏のお礼参りで伊勢神宮へうかがいます」と書き込んでいた。無念だったに違いない。場所が新幹線で逃げ場がない「通り魔事件」だったのだから…。

 18年6月9日午後9時45分ごろには、東京駅発新大阪駅行き「のぞみ265号」新横浜駅-小田原駅間で無職男(当時22)がナタを振り回し始め、次々と乗客に襲い掛かった。

 事件当時の目撃情報によると、乗客の多くは東京ディズニーリゾートのアクセサリーを身に着けたり、人気グループのコンサート帰りの女性らで、眠っている人もいる静かな状態だったとされる。そんな中で「キャー」という叫び声が響き、男が女性にナタを振りかざしていた。

 会社員の男性(当時38)は襲われた女性をかばおうと止めに入り、ナタで切り付けられた。男は男性に馬乗りになり、男性は抵抗できないぐらいのダメージを受けていたようだったという。

 犠牲となった男性は東大大学院卒。大学時代の友人は「社交的で研究熱心。正義感が強く、本能的に女性の助けに入ったのだろう」と声を詰まらせていた。

「事件」と「事故」は「故意」「過失」、あるいは「不可避」「可避」の違いがある。事件は鉄道運行者にも予見不可能で、完璧な対応は難しい。一方で、事故は確かに人間である以上、誰にでも「過失」はあり得るが、通常運行を心掛ければ防げるとの専門家の指摘もある。

 何度か列車事故を取材した立場としては、鉄道事故はやはり「人災」の印象が否めない。鉄道従事者には「令和」の時代においても、安全を最優先した運行をお願いしたいと思う。