『週刊ダイヤモンド』5月11日号の第1特集は「人事大激変~あなたの評価、給料が危ない~」です。「社員より株主」を大切にしてきた日本企業を、平均給与の増加率・1人当たりの配当毎にランキングしました。(本記事は特集からの抜粋です)
1990年代後半以降、日本企業は外国人持ち株比率上昇もあり、株主還元拡大を求められてきた。加えて、リーマンショック後の資金不足などの経験から、利益を内部留保としてため込んできた。内部留保の増加は株主財産の増加でもある。
今回、平均年間給与の過去6年間の平均増加率と、配当金総額と内部留保である利益剰余金年間増加額の合計額の従業員1人当たりの平均増加率(以下、配当・内部留保増加率)を比較した。算出対象企業1729社中約8分の1に当たる215社の平均給与の平均増加率が配当・内部留保増加率を上回ったにすぎない。このように「社員より株主」を大事にしてきたのが日本企業の現実だ。自社株消却による内部留保減少を考えると、実際には株主優先企業はさらに多くなる。
次表は平均給与の平均増加率が配当・内部留保増加率を上回る企業を給与増加率の大きい順に、その反対の企業を給与増加率の小さい順に並べたもの。社員を大事にする・しない企業ランキングともいえるものだ。