それよりも考えておくべきは、消費税再増税の延期は単に衆議院解散の口実にとどまらず、経済政策の観点からも、実は合理的な判断となり得る可能性があるのではないかということです。

 ちなみに、私は将来的な消費税増税に賛成であり、財政再建も必要と考えています。一部の経済評論家の方々の「消費税再増税は不要、財政再建も不要」という極端な主張に与する気はまったくありません。

 また、1-3月のGDP成長率がマイナスといった短期的な景気後退だけを理由に、消費税再増税を延期すべきと主張をする気もありません。それに加えて、これを機に結果として“軽減税率”の扱いを再検討する余地が生まれるならば、消費税再増税の延期はありと考えるべきではないかと、私は考えています。

軽減税率を見直し
給付付き税額控除へ

 以前も当連載で述べましたが、軽減税率は低所得者対策として導入されようとしているものの、軽減税率のメリットを最も享受できるのは高級食料品をたくさん購入する高所得者層です。買い物も、節約する低所得者層、そして特に残業が多くて外食で手早く食事を済ませることが多い層には対してメリットがありません。だからこそ、世界中の多くの経済学者が軽減税率には反対しています。

 それよりも、本当に真面目に低所得者対策を行なうならば、“給付付き税額控除”と呼ばれる方式を採用し、たとえば一定の年収以下の人には定額の給付金を支給する方がよっぽど理にかなっているし、低所得者対策としての効果も大きいはずです。かつ、マイナンバーカードを活用してそれを行えば、マイナンバーカードの普及にも役立ちます。