週刊ダイヤモンド2019年5月11日号は「人事大激変! あなたの評価・給料が危ない」です。人工知能(AI)などを駆使した企業が人材ビジネス業に参入し、業界秩序を変えようとしています。業界大手のパソナの中尾慎太郎社長に今後の展望などを聞きました。(聞き手/ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

中尾慎太郎
中尾慎太郎(なかお・しんたろう)/パソナ代表取締役社長COO 1974年生まれ、98年パソナ入社。2013年、取締役執行役員、15年、取締役常務執行役員営業総本部ソリューション担当、18年8月より現職 Photo by Masataka Tsuchimoto

――企業の人事部は、労働市場のひっ迫や働き方関連法案の対応で実務が激増し、多くの課題を抱えています。一方、 パソナグループにとっては、企業人事部の悩みを解決する所に商機が生まれています。どんなサポートを強化していきますか。

 労働市場は劇的に変化しているかというとそうではありません。人口が減るとか、労働力が枯渇するとか、昔から言われていますが、実は、安倍晋三首相のおかげで労働力人口は増えているのです。

 保育園の整備や無償化で仕事と育児を両立できるようになり、女性が社会に進出したり、復帰が早くなったりして女性労働力人口が増えている。

 さらに人生100年時代ということで、60歳定年でなく65歳まで頑張りましょうという政策でも、労働力人口が増えています。

 ただ、これから全体の人口が減るので労働力人口は頭打ちになります。実際に減っているのは20代とか若手ですね。それには困っています。

 一方、企業のほうはどうかというと、景況感もよかったので雇用する人数が増えている。人材ビジネスは活況だということです。

 人事部が困っているのは実務サイドです。法改正にともなう対応がありますから。

 4月1日からの働き方改革関連法による残業時間上限規制とか、来年4月から適用される「同一労働同一賃金」の原則などで、規定を変えないといけない。

 そこは当社がアウトソーシングで受けたり、コンサルで受けたりしています。

 でもこれは人事部の実務者が大変だという目先の問題で、将来、労働力人口が減っていくときにどうしますか、というのはこれからの大問題です。