「思考の目録」で頭のなかを棚卸しする
決定疲れから回復するための第一のステップは、あなたの肩にのしかかる選択の重荷を、ひとまず下ろすことだ。つまり、少し距離を置いてみよう。
まず、決断をくださなければならない項目にはどんなものがあるのか、明確にする。そのためには、書きだすのがいちばんいい。なぜ、わざわざ書きだすのかって? 実際に決定をくだすまでは、そうした項目はただあなたの頭のなかにある思考にすぎないからだ。
そうした多様な思考をすべて保管しようとするのは、素手で魚を捕まえようとするようなもの。あっという間に手から滑り落ちて、頭のなかの濁ったぬかるみへと姿を消してしまう。
でも、そうした思考を書きだしておけば、明るい陽光の下でしげしげと眺めることができる。思考を頭の外にだすことで、頭のなかのごちゃごちゃを整理できるのだ。
注意を向けなければならない項目をすべて書きだせば、「思考の目録」をつくることができる。そうすれば、一歩引いて問題を俯瞰し、自分で人生をコントロールする第一歩を踏みだせる。
クローゼットのなかを整理するときと同様、残すものと処分するものを決めるには、まず衣類をすべてとりださなければならない。頭のなかにごちゃごちゃとあるものの目録をつくれば、クローゼットにぞんざいに押し込んであるものの棚卸しをすることができる。
そこではおそらく、無益な「しなければならないこと」がはびこり、理性や感情を向ける価値のあるものを覆いつくしているはずだ。
目録をつくる手順は簡単だ。紙を1枚用意し、そこに3つの縦方向の列をつくろう(縦に線を2本引いてもいいし、縦に紙を折りたたんでもいい)。
1 最初の列には、いま、実際に「取り組んでいる」ことをすべて書きだす。
2 真ん中の列には、「取り組むべきこと」をすべて書きだす。
3 最後の列には、「取り組みたいこと」をすべて書きだす。
すべて箇条書きで、短く書こう。あるタスクからほかのタスクを連想したら、それも書きだそう。この作業には少し時間をかけて、よく考えよう。自分に正直になろう。
とにかく、あなたの頭のなか(そして心のなか)にあるものをすべて外にだし、紙に並べよう。では、深呼吸をしてから、始めてもらいたい。